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光ガラス株式会社 | Japan
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一般光学ガラス(性質)

光学的性質
科学的性質
熱的性質
機械的性質

光学的性質

(1)屈折率n

屈折率は、表1の21のスペクトルに対して、可視域(i〜A’)は小数点以下6桁、赤外域(s〜2 μm)は5桁の数値で表示してあります。掲載されている屈折率は3.(4)項の分散曲線方程式(ベキ級数式)により計算したものです。

<表1> スペクトル
スペクトル線 光源 波長[μm]
2.058 He 2.05809
1.970 Hg 1.97063
1.530 Hg 1.529582
1.129 Hg 1.12864
1.064 Nd(YAG)レーザー 1.06414
Hg 1.01398
Cs 0.85211
A’ K 0.768195
r He 0.706519
C H 0.656273
C’ Cd 0.643847
He-Ne He-Neレーザー 0.632816
D Na 0.589294
d He 0.587562
e Hg 0.546074
F H 0.486133
F’ Cd 0.479992
g Hg 0.435835
h Hg 0.404656
0.389 He 0.388865
Hg 0.365015

(2)分散

二つのスペクトルX、Yの屈折率差nX−nYを部分分散とよびます。簡略化してX−Yと表示しています。二つの部分分散の比を部分分散比とよびます。表1のいくつかのスペクトルに関する部分分散、部分分散比を掲載しています。アッベ数 vd 、veは、それぞれ次式により定義されます。

公式

数値を小数点以下2桁まで表示しています。

(3)異常分散性

一般的に光学ガラスの多くは、部分分散比とアッベ数の間にほぼ直線関係が成り立ち、このような硝種を正常部分分散ガラス(ノーマルガラス)と呼んでいます。他方、この直線関係から離れた位置にある硝種は異常部分分散ガラス(アブノーマルガラス)と呼んでいます。異常分散性の大きさは、ノーマルガラスの基準となるK7とF2を結んで得られる標準線からの部分分散比の偏差(ΔPx,y)で表します。データシートにはPdcとPgFの2種類を表示しています。

(4)分散曲線方程式

データシートに記載されていない任意波長λに対する屈折率は、分散曲線方程式を利用して算出することが出来ます。一般に分散曲線方程式はいくつかありますが、このカタログでは次式で表される分散曲線方程式を採用しています。
n(λ)2=A0 + A1λ2 + A 2λ4+ A 3λ-2+ A 4λ-4+ A 5λ-6 + A6λ-8+ A7λ-10+ A8λ-12

ここで、A0〜A8 は硝種により定まる定数で、硝種ごとに精密に測定された屈折率から最小二乗法により算出しました。
参考までに分数式の分散曲線方程式も表示します。分数式は、セルマイヤーの式と左辺が異なります。

公式

これら2つの分散曲線方程式のフィッティング誤差を表記しているので参考にしてください。
分散曲線方程式の適用範囲は、屈折率がデータシートに記載されている波長範囲内のみに限られます。なお、波長λの単位は[μm]を使用します。

(5)屈折率の温度係数Δn/ΔT

相対屈折率および絶対屈折率の温度係数を、−70 ℃〜90 ℃、0.389 μm〜1.083 μmの範囲で20 ℃間隔で表記しています。ただし温度の両端は10 ℃間隔です。単位を[10−6 /℃]で表示します。

(6)内部透過率τ

内部透過率は、表面反射による損失を含まない透過率です。このカタログでは、280 nm〜2400 nmまでの波長範囲について、厚さ10 mm当たりの内部透過率を表記してあります。i線(365 nm)の透過率も表示しています。また、このカタログでは、内部透過率が80%と5%を示すときの波長を“内部透過”として表示しました。例えば、内部透過率が80%を示すときの波長が321 nm、5%を示すときの波長が286 nmのときは、321/286のように表記されます。

(7)着色度CC (JOGIS 02-2003)

着色度は、厚さ10 mmの表面反射を含む分光透過率曲線において、全透過率80%を示す波長と5%を示す波長をそれぞれ10 nmの単位で表記してあります。例えば、全透過率80%及び5%を示す波長がそれぞれ332 nm、286 nmのガラスは、33/29のように表記されます。なお、neが1.85以上の高屈折率硝種に関しては、反射損失が大きいため80%の代わりに70%の透過率を示す波長を表記しました。

化学的性質

(1)表面法耐酸性AR(S)

新鮮な研磨面を持つ試料を30℃、pH4.6、pH5.9、pH6.8の緩衝溶液中で浸漬処理し、研磨表面がうすいアンバー色の干渉色を呈するまでの時間を測定して次表に従い分類表記してあります。

<表2> 粉末法耐水性
1234567
pH4.660分以上12分以上
60分未満
12分未満
pH5.9 60分以上 12分以上
60分未満
12分未満
pH6.8 60分以上12分以上
60分未満
12分未満

耐洗剤性PR(S) (ISO 9689:1990)

新鮮な研磨面を持つ試料を50 ℃の0.01 mol/l トリポリリン酸ナトリウム水溶液で浸漬して、ガラスが0.1 μm浸食されるのに要する時間を測定し、次表に従い分類表記してあります。

<表3> 粉末法耐酸性
1234
0.1 μm浸食するの
に要する時間 [h]
4以上1以上
4未満
0.25以上
1未満
0.25未満

(3)耐候性CR(S)(JOGIS 07-2006)

新鮮な研磨面を持つ試料を、57.5 ℃で50分、64℃で50分保持し、これを連続して24サイクル48時間繰り返し、発生した曇りをヘーズメータでヘーズを測定し、次表により分類表記してあります。

<表4> 耐候性
12345
ヘーズ2%未満2%以上
10%未満
10%以上
20%未満
20%以上
30%未満
30%以上

(4)粉末法耐水性WR(P)(JOGIS 06-1999)

粉砕されたガラスの比重グラムを白金製カゴに入れ、フラスコ内の純水(pH 6.5〜7.5)80 ml中に浸して沸騰水中で60分間加熱し、120 ℃にて乾燥後秤量し、その減量パーセントで次表に従い分類表記してあります。

<表5> 粉末法耐水性
123456
減量率
[mass%]
0.05未満0.05以上
0.10未満
0.10以上
0.25未満
0.25以上
0.60未満
0.60以上
1.10未満
1.10以上

(5)粉末法耐酸性AR(P)(JOGIS 06-1999)

粉末法耐水性試験と同一の装置方法で0.01 N硝酸水溶液80 mlを用い、その減量パーセントで次表に従い分類表記してあります。

<表6> 粉末法耐酸性
123456
減量率
[mass%]
0.20未満0.20以上
0.35未満
0.35以上
0.65未満
0.65以上
1.20未満
1.20以上
2.20未満
2.20以上

熱的性質

ガラスの熱間加工や熱処理する際に必要な熱的性質として、転移点Tg、屈伏点Atおよび高温と常温での平均線膨張係数αを記載しました。Tg、At、高温αは、十分に徐冷された長さ50 mm、直径4 mmの試料を、毎分4 ℃で昇温加熱したときに得られた、温度と試料の伸びの関係を示した膨張曲線(図1参照)から求めます。常温αは、加熱・冷却可能な装置で2温度間の膨張を測定します。

図1

<図1> 膨張曲線

(1)転移点Tg(JOGIS 08-2003)

転移点は図1に示すように、熱膨張曲線における2つの直線部分を延長した交点に対応する温度[℃]で表示してあります。

(2)屈伏点At(JOGIS 08-2003)

屈伏点は図1に示すように、熱膨張曲線におけるピーク点で、その温度[℃]で表示してあります。

(3)平均線膨張係数α(JOGIS 08-2003, JOGIS 16-2003)

常温(−30 ℃〜70 ℃)および高温(100 ℃〜300 ℃)における平均線膨張係数を[10−7 /℃]の単位で表示してあります。

(4)熱伝導率λ、比熱c、熱拡散率κ

室温における熱伝導率[W/(m・K)]、比熱[103 J/(kg・K)]、熱拡散率[10−6 m2/sec]を表示してあります。熱伝導率は、比熱と熱拡散率より関係式で求めました。

機械的性質

(1)摩耗度A(JOGIS 10-1994)

30×30×10 mmの大きさの試料を水平に毎分60回転する鋳鉄製平面皿(φ250 mm)の中心から80 mmの定位置にのせ、9.8 Nの荷重をかけながら♯800(平均粒度20 μm)のラップ剤10 gを水20 mlに添加した研磨液を5分間一様に供給して摩耗させ、ラップ前後の試料重量を測定し摩耗質量Wを求めます。また、同様にして標準試料の摩耗質量W0を求め、次式によって算出した値を表示してあります。

公式

ここで、S、S0試料および標準試料の比重を表します。

(2)ヌープ硬さHk(JOGIS 09-1975)

平面研磨されたガラス面に対稜角が172°30′と130°のダイヤモンド四角錐圧子(ヌープ圧子)に0.98 Nの荷重を15秒間かけてくぼみをつけ、次式により算出してあります。

公式

ここで、Fは荷重[N]、l はくぼみの長い方の対角線の長さ[mm]です。 このカタログには、測定値と測定値から次表により分類した級とを表示してあります。

<表7> ヌープ硬さ
1234567
ヌープ硬さ150未満150以上
250未満
250以上
350未満
350以上
450未満
450以上
550未満
550以上
650未満
650以上

(3)弾性率

ヤング率E、剛性率Gは、超音波を用い、5 MHzの縦波速度(Vl)と2 MHzの横波速度(Vs)を測定し、それぞれ次式により算出します。数値は、[109 Pa]単位で表記します。

G=Vs2・ρ

公式

ここで、ρはガラスの密度です。
ポアソン比μは、ヤング率と剛性率から、次式により求めます。

公式

(4)光弾性定数β

光学ガラスは、通常光学的に等方性ですが、応力が存在すると複屈折性を示すようになります。光弾性定数βとは、応力Fと複屈折による光路差δとの関係を表す定数で、ガラスの厚さをdとすると、

δ=β・d・F

の関係があります。このカタログでは、[10−5 nm/cm/Pa]の単位で表示してあります。



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